大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)498号 判決

所論は、原審第一回公判には、検察官が出席せず検察事務官が出席している点において原判決には、判決に影響を及ぼすべき訴訟手続の法令違反があるとの趣旨に解される。よつて案ずるに、刑事訴訟法第二百八十二条第二項に「公判廷は、裁判官及び裁判所書記が列席し、且つ検察官が出席してこれを開く。」との規定があつて、検察官の出席が公判開廷の要件となつていること、及び、検察庁法第三条に「検察官は検事総長、次長検事、検事長、検事及び副検事とする。」との規定があつて、検察事務官は検察官の内には含まれないこと、並びに、原審第一回公判調書の記載によれば原審第一回公判には、検察事務官中谷久が出席していることは、いずれも所論のとおりであるが、しかし検察庁法附則第三十六条には「法務総裁は、当分の間、検察官が足りないため必要と認めるときは、区検察庁の検察事務官にその庁の検察官の事務を取り扱わせることができる」旨の規定があるから、区検察庁の検察事務官は、右の規定により、特に法務総裁から命ぜられた場合には、その庁の検察官の事務を取り扱うことができる訳であつて、前記原審第一回公判調書にも「検察官事務取扱検察事務官中谷久出席し」と記載してある点から見れば、右検察事務官中谷久は前示の規定に基ずき、法務総裁より、東京区検察庁検察官の事務取扱を命ぜられた者であることが窺われるから、原裁判所が同人の出席を得て、前示公判を開廷したからといつて、何らの違法もないものと言うべく、従つて、原判決には、所論のような判決に影響を及ぼすことの明らかな訴訟手続の法令違反があることは認められない。論旨は理由がない。

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